居宅介護支援事業

ごあいさつ

介護保険は40歳以上の人が加入者となって、保険料を納め、介護が必要になった時には、費用の一部を負担することで、介護保険サービスを利用できる制度です。

ケアマネージャーは、ご利用者の希望や心身の状態にあったサービスが利用できるように導くサービスの窓口になり、要介護認定の申請代行、ケアプランの作成、介護サービス事業所との連絡調整などを行います。

当社の居宅介護支援事業部(ケアマネージャーの部署)は、平成12年4月の介護保険施行と同時にスタートしました。介護保険の理念である「自立支援」を念頭に置いて、本人の望む、本人らしい生活の実現を支援するためにケアプランを作成します。

ケアプランは「自分がどうなりたいか」という「ニーズ」を明確にし、実現可能な目標を定め、その目標達成のためのサービス(自分や家族ができることも含め)を決めていきます。

ケアマネージャーは実際にサービス提供に関わりませんが、様々な形でケアプランが動き出し生きたものになるのを見る時に、大きな喜びと共に、ご自身の持っている力の大きさを実感しています。

ケアプラン作成について

ケアサービス長谷川では、ご利用者のニーズに合わせたケアプランを無料で作成いたしますので、お気軽にお申し付けください。作成の際は、介護を受ける本人または家族と相談しながら作成します。出来上がったプランは本人の承諾を得て最終的なものにします。

また、ケアプランにそって、介護サービスの提供事業者や施設と連絡、継続的なサービス利用を確保、調整します。

支援の事例

ご利用者の生き生きとした様子をご覧になれます。

事例1

大正8年生まれのKさんは、10年前から介護保険を利用して在宅で1人暮らしを続けてこられました。

当時80歳でしたが、「2度の骨折で入院し、体が思うように動かないが、どうしても在宅生活を続けたい」との意向を受け、在宅でのお世話(居宅介護支援)を開始しました。

その時の介護認定は要支援で、サービス内容は、「住宅改修で段差の解消と手すり・滑り止め設置を行い、室内の移動・排泄・入浴が自分で安全にできるようにし、訪問介護(ヘルパーさん)を週3回利用し、できない家事を援助する。」というものでした。

今は、要介護2ですが、とても頑張り屋のKさんはできることやリハビリを自分で行い、「施設には入らず、最後までこの家で暮らす。」と決めておられます。

90歳になった今も1人暮らしが続けられるのは、もちろんご自分の強い気持ちもありますが、妹さんや姪ごさんたちの援助があるからです。

私たち居宅のケアマネジャーは、直接サービスを提供することはできませんが、このように、元気で生き生きと自分の望む生活を続けている姿を目にする時、関わらせていただいている喜びを感じます。

事例2

Tさんは99歳。「要支援2」の一人暮らしの男性である。

新聞も隅々まで読まれるTさんは、「元気で長生きせないかん。寝たきりやったらどっちでもええ。」と話していた。

Tさんはヘルパーや家政婦を利用し、買い物や調理などのサービスを受け、 食事もバランスよく食べている。

一番関心がある事は「野球観戦」、しかも大の阪神ファン。次は「読書や音楽を聴くことや散歩」、好きな演歌をケーブルテレビで観たり、自分でも口ずさむ。

背筋や腰をぴんと伸ばし、家の近くを杖で散歩している。Tさんに、「健康で長生きの秘訣は?」と聞くと、「くよくよしないこと、人に迷惑をかけないことを心がけている。」と答えてくれた。

ある研究結果によると、「元気で長生き」の7か条として次のことがあげられていた。

1.なんでも食べる

2.人生を肯定的にとらえる

3.几帳面な性格

4.誠実で医者の言うことをよく聞く

5.いろんなことに興味を持ち活動的

6.社会的で人との交流がある

7.サポートする家族がいる

この7つともTさんに当てはまる。

私の関わっている方のほとんどの方が上記の条件の多くに当てはまり、皆さん比較的元気だと思っていたが、それはできなくなったことも受け入れながら上手に年を重ねてきた結果だと気づかされた。本当に教えられることが多い。これからも大切な教訓を教えて下さる方々の支援が続けられることを心から願っている。

事例3

8年前から要介護5の認定を受けている96歳のお母様を、ご自宅で介護しておられるご長男の手記です。

私の母は13年前、父が亡くなって半年くらいしてから少しずつ体調に変化が現れ始めた。

母は要介護5で、ケアマネジャーがケアプランを立ててくれる。母の場合、月~金 12:30~14:00と、18:30~19:30、食事の介助と身体の世話をしてくれる。

また木曜の13:00~14:00は訪問入浴が来てくれる。

予め浴槽にお湯を張っておき、着替え等を準備しておく。この訪問入浴で清潔が保たれている。

毎週金曜は主治医が往診に来られる。土日はヘルパーが来ないので、朝昼タの食事の世話は、私達夫婦で行っている。土日に用事がある時は、24時間のお手伝いさんに2日間来てもらう。

排尿は1日7~8回。床ずれ防止の為、寝たままにせずなるべくポータブルトイレに座らせるようにしている。

朝食は、毎朝紅茶に浸した食パン半切れと、リンゴと人参のジュースで、これは私の役目である。昼食は私達の昼食と同じものをミキサーにかけて柔らかくし、バナナと牛乳のジュースをヘルパーさんに食べさせてもらう。夕食は、レトルト食品(歯茎で噛める)に卵等を付けて、ヘルパーさんに食べさせてもらう。レトルト食品は、すき焼き風・親子丼風等いろいろ種類がある。

夜は私と家内が交替で母親の近くで寝て見守りをする。日によっては興奮してベッドの柵をたたいたりして全く寝られない日もあり、翌日仕事の時はとても辛い。いつも睡眠不足の状態である。私のことは殆どわからず、時には17歳~20歳頃に戻っているようで、これがとても切ない。

私も高齢になってきて本当にしんどい。家内の協力がなくては1人でとてもできるものではない。家内はとても協力的に世話をしてくれるので本当に感謝している。私はまだ現役で仕事をしているし、色々な会のこともしなければならず、本当にしんどい生活であるが、これも前世の因縁か?宿命か?友人達から「老々介護大変やな」と言われることもある。

しかし、自宅介護をすると覚悟を決めたので、できるとこまではやろうと思っている。

事例4

94歳のSさんはご主人を5年ほど自宅で介護し、東京の娘さんの協力もあり、その後7年間、高松でひとり暮らしを続けてきました。

ご自身も8年前から介護保険サービスを利用しながら活動的な生活を送っています。

現在は要介護2で、ヘルパー週4回とデイサービス週2回のサービスを利用しています。介護保険のサービスについてどう思っているのかご本人に聞いてみました。

『自宅で主人を介護し、家族として介護保険を利用した経験が、自分のことに役に立っています。 ヘルパーさんが来てくれないと生活が成り立たないと思っています。 外部の空気を持ってきてくださることやちょっとした会話があることをとてもありがたく思っています。 また、デイサービスで筋トレをしているおかげで新聞を取りにいったり、朝食を作ったりなど 自分でいろんなことができています。 ヘルパーサービスは制限が多くて、できないことが多いのが少し不満ですが、良い制度だと思います。このようにして助け合いながらみんなが長生きするのは いいことだと思うので、知らない人にももっと知らせるべきだと思います。』